クラシック音楽の素晴らしさ

クラシックと言っても、バロック音楽から現代音楽まで幅広いですが、僕みたいなロック上がりのミュージシャンからすると、「完璧主義」+αみたいなイメージがあります。

まず、

○譜面を忠実に再現する

これが僕なんかだとフィーリングやん!とか、そのとき一緒にやるプレイヤーによってアプローチを変える、とか言い訳してしまいそうになります(笑)。ポピュラーミュージックならそれが正解な場合もありますが、クラシックは作曲者、あるいは指揮者の意図、表現したい世界観を理解して、それを再現する1パートにならなければいけない、という話を聞きました。

よく対極にあると言われるジャズは「創造」の音楽で、クラシックは「再現」の音楽と言われます。ジャズの譜面は最低限の情報(せいぜいコードとテーマのメロディー)、約束事で(それすらも臨機応変で対応するが)、後はプレイヤーの即興でその時だけの音楽が紡ぎ出される。対してクラシックは、譜面に事細かに演奏の指示が書き込んであり、それをきっちり再現するのが大前提。「この音は強く弾いて、すぐに弱く」や、「ここから情熱的に、そしてここからだんだんゆっくりと」とか。

僕はプレイヤーとしてはポピュラーミュージックがメインなのですが、当然どちらも素晴らしい音楽の表現形態である事は間違いありません。

 

僕が今までに共演したクラシックの演奏家の方たちにおおよそ共通する事は、ポピュラーミュージックの演奏家の人間に比べて

①音感が優れている

②譜面の読み書きが優れている

③自分でフレーズを作る、あるいは即興演奏が苦手

だと感じました。

①は、やはり小さい頃から楽器を習っている方が多いからか絶対音感さえ身に付けている人もいます。音大の受験では聴音は必須ですからね。絶対音感があったほうが必ずしも音楽に有利とは限りませんが、無い僕からすると羨ましい限りです。

②も然り。僕の教えているエレキベース、ウクレレは楽譜が読めなくても楽しく演奏できます。TAB譜という弦楽器特有の譜面の見方を理解すれば自分の出している音が何の音かわかってなくてもアンサンブルできるので非常に便利です。しかし、音楽家の共通言語である楽譜を読めないとなると、趣味で楽しむ分にはいいのですが、仕事にするならNGです。それを補う演奏技術や芸術性があれば仕事につながるでしょうが、かなりのマイナスポイントであることは否めません。

③は、先程述べた「再現」に関わる事ですが、譜面を忠実に再現する事が重要であるがゆえに、自分でフレーズを作る、ましてやその場で即興演奏というのが苦手な人が多いように感じました。それはそういう演奏の必要がなく、そのためのトレーニングを積んでなければ当然そうなります。

もちろん上記に限らない方もたくさんいます。ジャズもクラシックもどちらも一流のミュージシャンもたくさんいます。

ちなみに、先程の+αですが、そこは「個性」「芸術性」である事は言うまでもありません。それが無ければ二流です。人を感動させる音楽を奏でることはできません。

余談ですが、2006年のNHKの朝ドラで「純情きらり」という、宮崎あおい演じるヒロインが昭和初期に当初はクラシック、後にジャズピアニストを目指す内容のドラマがあって、劇中誰が言ったか覚えてませんが「貧乏人には音楽は出来ない」みたいな台詞を聞きました。

これは僕の見解ではありますが、「クラシックに関してはその通りだな」と共感してしまいました。クラシックを鑑賞したり、楽器を嗜んだりはもちろん誰でも気軽に出来ますが、それを生業にするのは貧乏人には無理、と思いました。

子供の時からきちんとした音楽教育を施し、音大に入れて、なんてなったら音楽への情熱だけでカバーできない部分も大きいと思います。楽器の値段もポピュラーミュージックの楽器とは桁が違います。

以上僕から見たクラシック演奏家の考察です。僕とは大きく違うタイプのクラシックのミュージシャンの方をすごく尊敬します。幼少の頃からしっかりした教育を受けられてきた方の勉強量、練習量がハンパじゃないし、学ぶべき部分は多いです。

僕が今後クラシック音楽でプロの仕事をすることはないと思われますが、僕は僕で自分の持ち味を生かせるようこれからも精進したいと思います。