レッスンを受講する際の心構え〜ガチ練(ガチンコ練習)編その壱〜

このコラムは楽器を上手くなる為なら努力を惜しまない人向けです。

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上手くなるためには努力し続けるしかありません。これは絶対的真実です。残念ながら努力してないのにいつの間にか上手くなってたという奇跡は起きません。いつの間にか下手になるだけです。

しかし、努力にもやり方というものがあります。ただ闇雲に時間をかけて練習すれば自動的に上手くなるものではありません。そこで無駄なく着実にステップアップするためのコツを書きたいと思います。これは楽器練習はもちろん、勉強や仕事にも大いに当てはまる事ですので、ぜひ参考にしてください。

ガチ練のコツ①→自分がどうなりたいか、ビジョンをしっかり定める

漠然と上手くなりたいではなく、具体的なイメージを持つことが大事です。「速弾きがしたい」「アドリブができるようになりたい」「マーカス・ミラーみたいに弾きたい」等、どうなりたいかによって練習メニューは違ってきます。同じボクサーでもボクサータイプ(相手と距離をとるアウトボクシングが得意)とファイタータイプ(接近戦の打ち合いが得意)では戦い方が違うので当然練習のやり方も違うでしょう。

ただ、まだ初心者の段階では無理して目標設定する必要はありません。プレイヤーとしての可能性を捨て去る恐れもあるので、本当にビジョンが見つかるまでは広く浅く何でもやれるように取り組むといいです。

ガチ練のコツ②→短期・中期・長期的計画をたてる

例えば今から一ヶ月後、一年後、五年後に自分がどうなっていたいかを考えて、逆算して日々の練習計画をたてる。

一ヶ月後に今日始めて手を付けたこの曲を完コピできている。一年後には今はまだ弾けないあの曲を弾けるようになっている。五年後にはプロの世界でギャラをもらえる演奏をしている。

登る山の高さによって日々の時間の過ごし方が変わります。例えば五年後にエレキベースでプロのスタジオミュージシャンになりたいのに今は楽譜が読めない、スラップができない、このままではプロになれません。なら一ヶ月後、一年後までにここまではできるようにしよう。ならば今日はこの練習と勉強を、明日はあれを・・・、となる訳です。

上記のはあくまで例ですので、ギャラをもらえる目標が一年後でもいいし、五年後の目標が全く見えないので、差し当たって半年後にはこれぐらい弾けたらいいなあでも構いません。大事なのは山の高さいかんに関わらず、日々の努力目標(ノルマと言い換えてもいいかもしれません)を設定し、達成し続ける事です。途中で軌道修正したり柔軟性は必要ですが、安易に山の高さを低く設定し直さないようにしましょう。なぜなら、クセになって、どんどん自分に甘えてしまうからです。自分にその傾向が見られると思った方は都度自戒して努力し続けましょう。

ガチ練のコツ③→努力を続けられる環境を自分で作り出す

上手くなるために練習する。そしてそれをストレスなく継続させる。何も考えなくても自然とそれができてしまう人はいいのですが、なかなかできない時は、何が原因でできないのかを考え、どうすればできるようになるかを考えましょう。

例えば練習のために一時間早起きする、練習中はスマホの電源を切っておく、今取り組んでいる課題をクリアするまでゲームをお預けにする等。守れなかった時にはペナルティを課すのもいいでしょう。

ここで大事なのは、あくまで「自分で」です。優秀な指導者のもとで練習するのはもちろん大事な事ですが、四六時中付き添ってもらう訳にはいきません。指導者は練習のやり方を教えるのであって、それを受けて日々の孤独な練習をマネージメントするのは自分自身です。せっかく素晴らしい指導を受けても集中して練習に取り組めずにいると、教わった内容を消化できず、いつまでたっても上達しません。自分の生活環境、生活リズム、目指す音楽の方向性、プレイスタイル等考慮して、自分なりの練習環境を作りましょう。

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